市民劇場(旧オペラハウス)
重厚なバロック建築のフランス統治シンボルは、今は市民劇場として親しまれる旧オペラハウス
7 Lam Son Square, Ben Nghe Ward, District 1
08 3825 1563
竣工 1898年
設計 Eugene Ferret(フランス)
フランス統治時代の1898年にオペラハウスとしてに建てられたものです。現在は、市民劇場としてコンサートやバレエ、演劇などの公演で使用されています。
19世紀末、フランス第二帝政から第三共和制へ移行した頃の影響を色濃く反映した重厚なバロック建築です。フランス式の都市設計で、主要な通りの起点、目印として大型建築物を配置するビスタという考え方で設置されています。現在のレロイ通りとドンコイ通りが交差する場所にあります。一直線で長いレロイ通りの遠くからでもひと目で確認できるように配置されていることが分かります。ホーチミン市内に今も残る円形のロータリーはフランスの都市設計の名残です。
旧オペラハウスは、フランス時代からベトナム社会主義共和国、サイゴンからホーチミンへ至るまでの歴史が凝縮されているように思います。建設当時、正面や内部の装飾、調度品はフランスから運ばれて設置しています。第二次大戦(大東亜戦争)後、フランスから独立を果たしたベトナム共和国は分裂し、南北の内戦状態へ陥ります。その時代、南ベトナム共和国政府の下院議員の国会議事堂として使用されるようになります。立法の場に相応しくないと判断されたのか、外観や内部は簡素に改装され、彫刻や調度品は全て撤去されています。
1976年の南北統一(解放)後は、内戦で受けた屋根のダメージなどが修復され、市民のための劇場として再出発します。そして、1995年、サイゴンの市政300周年を記念して、1998年に創建時の復元を開始、改装された外観や撤去された彫像や彫刻、装飾品を復元配置し100年前の姿がよみがえっています。建物内は、約1,800席あります。
一言コメント
市民劇場を飾る彫像や装飾は、まるで美術館の収蔵品を見ているかのような美しさを感じさせてくれます。19世紀のヨーロッパの雰囲気を感じるには十分な雰囲気です。これら復元されたものが、どの程度、正確に復元されたかの資料はまだ見つけていません。しかし、古写真などを見ると、ある程度、資料に基づいて忠実に復元されたことが推測できます。
創建時や南ベトナム共和国の時代の市民劇場の古写真などは、べトナム ホーチミン 情報 日常生活 市民劇場をご覧ください
ライトアップされた夜間も美しいですが、装飾の細部をじつくりと鑑賞するのは、昼間のほうがよさそうです。また、日中の市民劇場前の交通量は非常に多いので、横断には気をつけてください。
参考サイト
べトナム ホーチミン 情報 日常生活
ホーチミンなび
アジア写真帳
アクセス ・ 地図
投稿者: keijiro
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更新日: 2013-02-04
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